強化ガラスの使用上の注意と保証
強化ガラスを安全にお使い頂くために
強化ガラスは、いったん破損が起こると瞬時に全面破砕します。破損した場合には、粒状になった破片が脱落する事があります。ガラス表面に付いた傷やガラスの中に残留する不純物の体積変化により、外から力が加わっていなくてもごく稀に不意に破損する事があります。ガラス表面に傷を付けることを防ぐ為、クリーニングの際はカッターや金属製のスクレーパー(へら等)を使用しないで下さい。また、エッジを露出した施工方法での使用はしないで下さい。
万一破損した場合、ガラスの破片が飛び散ったり落下したりする事を防ぐため、次のような場所に使用する場合には、<合わせガラス>若しくは<強化合わせガラス>にしてご使用下さい。
- アトリウムのような屋根、スカイライト、トップライトなど、水平又は水平に近い状態での使用
- 垂直な壁面
-ガラスが破損脱落した場合、建物の下に居る人が怪我をする可能性のある部位
-ガラスが破損脱落した場合、人も落下する可能性のある部位 - 手摺用ガラスなど、ガラスが破損脱落した場合、人が落下する可能性のある部位
- 床材や階段踏み板等、ガラスが破損脱落した場合、人も落下する可能性のある部位
- エッジを露出して(フレームレス)使用する場合
エッジ部を露出した納まりの場合、強化合わせガラス仕様としても破損時にエッジから破片が落下する恐れがありますので、エッジカバーを取り付けるなどの落下防止措置を講じてください。 ※硝子破損時に小片が落下する可能性ゼロを保証するものではありません。
やむを得ず、強化ガラスへ飛散防止フィルムを貼り付けてご使用される場合のご注意
飛散防止フィルムを強化ガラスへ貼る場合、脱落防止上ガラスのエッジまで貼り付けるなど適切な貼り付け方法が必要になります。フィルムの4辺がフレームにガラスと共に適切な深さまで収まっていない場合は、ガラスが破損した際、塊となって脱落する可能性があります。特に、エッジを露出しての使用ではこの危険性が高まります。
また、飛散防止フィルムは、経年劣化による定期的な貼り替えが必要となります。フレーム内まで貼り付ける場合や、DPG工法などの場合、貼り替えが非常に困難となります。
その他、設計・施工上のご注意
- 強化ガラスは、面内に比べエッジ部は、耐衝撃強度が弱くなります。
- ガラスのエッジ部や孔あけ部はサッシなどの金属部との接触を絶対に避けてください。
- 強化ガラスの使用部位は容易に日常点検が可能な箇所に限定されることを推奨します。
- 概ね3mを超える場所でご使用の場合は、飛散防止処理を施されることをお薦めします。
強化ガラス品質保証内容
保証性能項目 | 自然破損しないこと(※1) |
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保証期間 | 10年 |
保証内容 | 保証期間内の製品に、保証性能項目を守れない不具合が生じた場合には、代わりの製品を無償で出荷させていただきます(※2)。但し、素板が国産クリアフロート板の場合に限ります。また、施工費用につきましては、補償対象外とさせていただきます。 |
※1 自然破損とは『ガラス中に存在する不純物による、外から力が加わっていない状態での不意の破損』を指します。現在の技術では自然破損をゼロにすることはできないことをご理解下さい。
※2 不具合が生じた製品を既に販売中止とさせていただいている場合には、同等品種または近似品種でのお取替え、または販売金額の払戻しで補償させていただく場合があります。
尚、保証期間内でも次の場合は有償となります。
- 必要な強度検討を実施されずに破損した場合
- ガラス表面に出来た傷が成長して、不意に破損した場合
- ガラスに弊社のマークが打刻されていない場合
- 破損したガラスを回収して調査・分析した結果、破損の原因となる不純物が検出されなかった場合
- 使用上の誤り及び不当な改造や修理等、人的原因に起因する不具合(ガラス表面にフィルムを貼ることや塗料を塗る事等も含みます)
- 火災、地震、風水害等の天変地異に起因する不具合
- 品質保証対象外である事を事前にご了承頂いている場合
- 実用化された技術では予想が困難な現象に起因する不具合
- 熱割れなどのガラスの破損
- 強化合わせガラス仕様を採用する等の、飛散防止措置を講じていないことにより発生した、人体や器物への損害賠償
- ガラスが脱落しにくい施工法など、板硝子協会が推奨する、破損落下による被害発生を避けるための措置を実施していないことにより発生した人体や器物への損害賠償